2017年12月2日、JR四国に新しい特急型気動車が定期運転を開始しました。それは、2600系。2600系は、JR四国の次世代の特急形気動車。2017年8月11日に、臨時列車としてデビューしました。当初は2600系を増備して2000系を置き換える予定でしたが、土讃線にあまりにもカーブが多かったので、車体傾斜に使うための空気が足りず、以降量産は断念されてしまいました。

 しかし、その雄々しい姿に魅せられて、今年のはじめ頃にはヒマができ次第2600系を撮っていきました。そしてついに、自分が最も理想的な2600系の写真を撮ることができました。そのときの記録を収めたのが、この二つの記事です。

プロジェクトT ~ある挑戦者~ (前編)
プロジェクトT ~ある挑戦者~ (後編)


 あのときは本当に執念が自分を突き動かしたようなものでした。本当に撮れてうれしかったです。しかし、その写真に飽き足りなかったぼくは、その後も2600系の写真をどんどん撮っていきました。今回は、2600系にとって初めての夏~秋の様子を紹介していきたいと思います。文章よりも圧倒的に写真の方が多いと思いますが、心を込めて1枚1枚撮ってきたので、どうか読んでみてください。

 2018年6月24日、この日は早速6灯で来ました。

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 夏至を過ぎたばかりだったので、とても日差しが強かったです。

 6月25日は、佐古駅で撮影しました。
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 夕日が当たった2600系を撮ることができるかと思っていましたが、本番直前に曇ってしまいました。残念。

 7月3日、この日はTSEの最期の姿を撮りに行こうと思っていましたが、ミスって撮影できず。仕方がないので高松駅で撮影して帰りました。2600系をはじめとする特急うずしおは、高松駅で長い時間止まっているのでゆっくりと撮影することができました。

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 次の日、7月4日の天気は晴れ。ということで、夕日に染まる2600系を撮ることができました。6灯だったらもっとかっこよかったのになぁ…………
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 7月12日には、ひさびさ徳島駅の中で撮影しました。
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 しかし、またしても2灯。6灯が見たかったなぁ……

 7月14日には、別の角度から撮影。また2灯。
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 長らくの間2灯の2600系しか見られませんでしたが、ついに6灯のが見られるようになりました!!!! 7月21日、この日は屋島に夕日の撮影に出かけるところでした。そこで、2600系が6灯になりました。
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 3日後の7月24日には、新しい撮影方法を編み出しました。それがこちら。
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 今までは線路の反対側から撮ることが多かったのに対し、今回試した手法は、ズームアウトしつつ近くで撮るいう手法。2600系の新たな側面を見ることができました。

 2018年の初夏にかけて、花畑踏切の歩道橋が使えなくなっていました。しかし7月下旬にはそれが解消され、気に入っていた撮影場所が復活しました。7月25日、久しぶりにお気に入りの撮影の仕方で2600系を撮りました。
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 薄曇りだったのでちょっとべったりした感じになりましたが、まずまずのできです。7月27日にも撮影をしていきました。
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 暑かったです。8月に入るとさらに暑さが厳しくなりましたが、撮りたい気持ちは収まることを知らずにやっぱり花畑踏切近くに来てしまいました。
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 最後の写真、日当たりやアングル的にも大成功のはずなのに、なぜかしっくりこない。

 9月に入ると、念願の新しいレンズを購入しました!!!! 9月21日に初めてそのレンズを使ってみて、初めての2600系の写真がこちら。
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 本当だったらもう少し大きく写したかったのですが、まだそのレンズの大きさや重さに慣れておらず、これが手一杯でした。というわけで、レンズを使いこなすべく、ヒマさえあれば練習していきました。その日の18時半頃、また2600系が来たので撮影。秋分近くだったのでもうこの時間帯は真っ暗。しかしそのおかげで2600系の輝きを見ることができました。
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 ここで分かったのですが、新しいレンズは手ぶれ補正の機能がめちゃめちゃ高かったです。手ぶれ補正なしではどう考えてもぶれるようなシーンでも、このレンズの手ぶれ補正機能を使えば難なく撮影できました。やっぱキットレンズとは全然違う。課金バンザイ!!!!

 2600系以外でもなんべんか撮影していったので、だんだん使いこなせるようになってきました。9月28日に撮ったのがこの3枚です。
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 やっと晴天に恵まれた…… 3枚目、6灯だったらもっと雄々しく写っていたでしょうね。しかし、この約1ヶ月後に、この条件を超える未だかつてない大チャンスに恵まれたのです!!!!

 気候が穏やかになった10月、芸術の秋にならってどんどん撮影を進めていきました。10月7日にはこの3枚を撮りました。
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 朝日と組み合わせた2600系がちょっと優しく写りしました。しかし、昼になると曇り。このレンズは雲を呼ぶレンズなのかな??

 しかし、その考えは覆りました。10月21日、この日の朝は晴れ。気候も穏やかで、気持ちのいい撮影となりました。朝の時間帯は下り列車が順光となるので、早起きして撮りにいきました。早起きは三文の得とはこのことです。
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 そして2018年10月25日、ぼくの撮り鉄人生に大きな衝撃を与える出来事がありました。この日は気持ちのいい天気。空には雲一つありませんでした。そのときぼくは何を思ったのか、急に2600系の写真が撮りたくなって、いつものように花畑踏切に行きました。15時20分頃、定刻通りに2600系がやってきました。

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 光線は良好。あとは高松行きとなって帰ってくるのを待つのみ。15時28分、高松に向かう2600系がやってきました!! 6灯になるなんて当てにしてしませんでしたが、この日、2600系は6灯で来ました。これを逃すわけにはいかないと緊張しつつも、自分の腕を信じてシャッターを切りました。

 すると、今年1月に撮れたものよりもはるかにできの良い写真が撮れました。早速現像してみると、こんな作品が誕生しました。
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やばい

ニロクがかっこよすぎる


 ニロクとは2600系のことです。近頃まれに見る上出来な作品となりましたが、まさかここまで2600系が雄々しく、男らしく(勝手に男と決めてしまった)写るとは思ってもみませんでした。こんなに天気のいい日に、突然気まぐれを起こして撮りにいったら、2600系が6灯でやってきて、さらにほぼ写真フレームの中心にすっぽり収まっている、いくら練習してもこんなにいいものはなかなか撮れません。これはひとえに天の神様に大きく味方しもらったとしか言いようがありません。

 それではここで、上の写真が撮れるまでの最高傑作と、10月25日に撮れた作品を比べてみましょう。1枚目がかつての最高傑作(2018年1月13日撮影)、2枚目が10月25日撮影の作品です。2枚目は新しいレンズで撮っています。
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 新しいレンズの方が発色がいいのか、10月25日撮影の方がより黒色がより明確に出ています。さらに1月撮影のものに比べて車体が横に膨らんでおらず、その分縦横に車体が伸びていてすっきりとした印象です。10月撮影の方が中心に対して車体のずれが少ないです。

 本当にこの写真が撮れて本当にうれしかったです。さらにこれをとある写真展に出したところ、予想に反してとても高い評価を受けました。というわけで、この写真は今まで撮ってきた中でいちばんの作品となりました。

 これからぼくは「撮り鉄」として、かつてないほどの「誇り」と「自信」をもって生きていくでしょう。しかし、この作品があるからといってあぐらをかいていてはいけませんね。この作品を超える作品をいつの日か撮るためにも、これから努力していきたいと思います。